人工内耳の基礎技術開発

京都大学の中川隆之講師や大阪大学は、音を電気に変え発電させ、それによって駆動する人工内耳の基礎技術を開発し、実用化に向けて企業とともに共同研究を進める予定だ。

人工内耳は聴覚障害者を補助する装置で、音を感じ取る内耳の蝸牛に電極を付けてから耳の外にあるマイクで音を電気に変換すると、電極に電気信号が送られ聴覚の神経を刺激する仕組みになっている。しかし音を電気に変えるには電池が必要で、小型化するには不向きであったり、発電量が足らず聴覚を十分に刺激できていないといった問題点もあり、今後は電圧を100倍以上に高めたり、電池の要らない人工内耳を実現化させるために改良が必要としている。

実験では、モルモットの蝸牛に長さ1ミリメートル、幅0.5ミリ、厚さ3マイクロメートルの薄膜状の電圧素子を取り付け、特殊な計測装置を使って効果を確かめた。その結果、モルモットが聞き取れる周波数の音で発電することが確認された。ひずみを電気に変える圧電素子を薄膜状にすることで、微弱な音による振動を電気に変えることが可能となった。