京都府立医科大学の松田修教授と岸田綱郎講師らは、「ダイレクト・リプログラミング」技術を生かし、マウスの皮膚細胞に軟骨に変える遺伝子とともに、がんを抑えるたんぱく質「インターロイキン」を作る遺伝子を組み込み、体内で軟骨細胞がたんぱく質を放出させることに成功した。この手法は、副作用が発生することもなく効果的な治療が出来るため、将来のがん治療に役立つものとして今後も注目したい。
新手法は、新型万能細胞(iPS細胞)を経ずに目的の細胞が直接作り出せるため、再生医療などへの応用が期待されている。
実験では、作製した軟骨細胞に放射線を当て増殖を止め、がん化を抑制。その後、マウスの体内に埋め込んだところ、軟骨細胞はがん治療用たんぱく質を2週間以上放出し続け、がんは発症しなかった。たんぱく質は体内で分解されやすいため、治療目的で大量に注射などで投与すると、副作用の可能性が高まるとされる。今回の成功が副作用のリスクをなくせるとあって、実用化が急がれている。