ニキビのアクネ菌 がん細胞を減少させる

肌のトラブルといえばニキビが真っ先に思い浮かぶが、ニキビに対しては良いイメージを持っている人は少ないのではないだろうか。三重大大学院医学系研究科の山中恵一講師のグループによって発見された研究内容は、このイメージを覆すものになりそうだ。

皮膚がんの一種・悪性黒色腫にニキビの原因となるアクネ菌が、がん細胞減少に効果的というのだ。この治療実験は、世界で始めて成功したとして22日付でで発表された。現在国内では、人が悪性黒色腫にかかるのは年に約2000人。中でも末期のステージ4まで進行してしまうと、10年後の生存率は約10%とかなり低くなる。そのため、今回の実験内容が新たな治療法につながればと期待される。

グループが行った実験では、マウスにがん細胞を移植し、移植直後と14日後の2回に渡って腫瘍部分にアクネ菌が注射で投与された。その結果、がん細胞がほぼ消失した。これは白血球がアクネ菌を消化するまでに時間を要するため、長時間に渡り腫瘍に群がるといった性質が、同時にがん細胞も食べて破壊することで起きる現象だという。アクネ菌の細胞のどの部分ががん細胞減少に最も効果を発揮するのかはまだ解明されていないが、今後はこの解明が効果的な治療法の確立に役立つと思われる。